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日報ブログ

第5期(2021年3月期)の目標は「点と点を繋ぐ」~バックエンド&フロントエンドの強化、DX人材化、マーケ強化、成長基盤を固める~

AUTHOR 増子 愛

代表の増子です。2020年4月期(第5期)を迎えて既に3ヶ月目に突入しておりますが、改めて今期の目標をしたためてみようと思います。

点と点を繋ぐ Connecting the Dots

私の好きな言葉にスティーブ・ジョブスの「Connecting the Dots(点と点を繋ぐ)」があります。
よく小さな企業の戦略においては「絞り込んで強みを作るように」という王道がいわれますが、それを振り切るように、「分野を問わずいろいろやってみないと分からないから!」と言って、毎年違うことをしている弊社。お客様から頂く様々なご要望にお答えしていく過程で、出来ることが増えました。今年も多少、違うことに挑戦することになりそうですが、そうは言いながらそろそろ「点と点をつないで線にしていく作業 (経験して獲得した各種リソースをつないで、独自の強みを作って行く段階)」に入ってきているように感じています。

不確実性の高い時代は、短期目標を。お客様とは運命共同体。

IT技術の指数関数的な進歩とともに、社会・ビジネスが目まぐるしく変化し、不確実性が高まる「VUCAの時代」が到来したと言われます。将来予測が困難になり、長期目標は立てづらくなる一方で、変わらぬ普遍的価値を元にしたビジョンを貫きながらも、数か月~1年スパンの短期の目標を掲げ、その時々の変化に対応していく力が求められているという確信は日に日に強くなっています。同時に、コロナウィルスの影響下で、個人においても企業においても、オンライン化を含むデジタルの活用へのベクトルが一気に加速しています。
先日、私たちが尊敬するWEB制作会社であるベイジ社長の枌谷さんが、ウェビナーの中で「我々がサバイブすることと、クライアントがサバイブすることはイコールだ。クライアントに生き残ってもらうためのスキルセットが身についているはずだ。希望を持ってやっていこう。」というお話をされていたことが印象に残りました。まさにお客様と運命共同体として、そのデジタル活用を支援することで、ともに生き抜く力を確立していくことが、私達のようなデジタル領域の支援事業者の役割と自覚します。

2020年4月期(第5期)は、デジタルの支援事業者たる知見を更に強化し、支援の範囲を広げるとともに、この3年半の間にトライ&エラーで培った既存ノウハウを再利用しやすい形に整理しながら、社としても創業期から成長期へ移行するにあたっての基盤を整える1年に位置づけたいと考えます。

2020年4月~2021年3月期の目標

 

1.フロントエンド×バックエンドの両方が強い会社をめざす

ウェブサイトやウェブシステムにおいて、「フロントエンド」「バックエンド」という言葉に耳慣れない方も多いかもしれませんが、
ざっくり言うと
・フロントエンド…表側のお客様が見える部分(デザインやボタン類など)
・バックエンド…表側からは見えない裏側でデータを処理したりする部分(プログラム・データベースなど)
のことを指します。一般的に、開発においては、フロントエンドとバックエンドをエンジニアごと、或いは会社ごとに分担して1つのシステムを作り上げていくのですが、ウェブ制作会社では前者だけが得意な会社が多い傾向があります。弊社はもともとプログラマ出身者が多いという強みを生かし、両方の構築能力をバランスよく身につけることで、サービスそのものがオンラインありきで設計される時流に対応できるよう、プログラムも介在した「サービスとしてのウェブサイト」「サービスとしてのシステム」を開発・提供できる強み確立したいと考えます。

フロントエンドのワークフロー確立とコンポーネント・パッケージ化

お客様の個別要件に合わせて都度、要件定義・設計・制作を行っていたフロントエンド側。案件ごとに別のことをしているようで、気がつけば同じような作業をまたやってしまっていた!と言うことがよくありました。一方で、長年やっていればおおよそ、ベストプラクティスも見えてきています。
今までも部分的には仕組化に取り組んでいましたが、今年は本格的にワークフロー関連のドキュメント類を整え、ウェブサイト構築で共通項となるパーツをコンポーネント化して再利用できる仕組みを作る、一部はパッケージとしてウェブサイト上に掲載して、分かりやすくお客様にご案内すると言うことをしていきたいと考えています。そうすることで、お客様とのやり取りや価値提供の速度がはやまり、私達の無駄もなくなり、その時間をさらなる付加価値創造にあてていけるはずです。

ワークフローを確立しているベンチマーク企業として、前述のベイジさんの存在があります。そんなことを考えていた折、ベイジさんのノウハウを学べるセミナーを開催されるという情報をキャッチしたので応募しました。コロナウィルスの影響で延期になったものの、オンラインで開催いただけるということなので、しっかり学びながら、自社でのノウハウ確立に取り組みたいと思います。
何より弊社ナンバーツーの川崎がかねてよりベイジさんのファンであり、このセミナーに参加することは、私にとっても、彼女の小さな夢を叶えるという、大きな喜びでもあります。

バックエンドのコードレビュワーの導入とSaaS構築のスキルアップ

デジタル活用の流れの中でSaaS需要も高まっている昨今を踏まえ、今期は、より堅牢で拡張容易性の高いシステムを開発できるバックエンドスキルを取得することを目指します。
今までもウェブサイトと連動して動くような、ウェブシステム開発のお仕事をさせて頂いており、バックエンドにも携わって参りましたが、「WEB制作会社にしてはシステムもできるよね」と言う立ち位置でした。一方で、前期に経験したバックエンド側のある案件では、「スキルがもう少し高ければ」と悔しい思いをすることもありました。今期は外部から信頼の置けるコードレビューワーさんを迎え、更なるスキルアップを図る予定です。
ウエブルには、元々SaaS開発エンジニアだったメンバーもおり、私個人もSaaSへの思い入れがあることから、モチベーションが高い分野でもあります。

2.デジタル・トランスフォーメーションの知見をもって提案できる

 

みなさんも「デジタルトランスフォーメーション(DX)」という言葉を聞く機会が増えているのではないでしょうか。経済産業省はデジタルトランスフォーメーション(DX)の定義を下記のように位置付けています。

デジタルトランスフォーメーションの定義

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること

簡単に言えば、単なるデジタル化にとどまることなく、デジタル技術を活用して企業・ビジネスを変革し、価値を高めて、競争優位を確立していくこと。
ここ数年で企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)の流れに乗り、デジタルの基盤を構築できるかどうかが、今後5年以降の生き残りに大きく影響すると言われています。

弊社のクライアントは、中堅・中小企業様が中心です。大企業はその大きさや複雑さ故にDXに困難を抱えがちと言われますが、小さな企業は、意思決定が比較的早く、変革への障壁も低いというアドバンテージがあります。またDXを遂げることで、その商品やサービスの強みや価値を拡張し、場所にとらわれずに全国・世界へ市場を広げていける可能性を秘めています。
私たち支援業者の使命は、個々のクライアント企業の従来の強みを大切にしながらも、デジタル活用を生きた形で支援すること。そうして地方に関係なく、お客様である企業がDX(や同時に謳われるOM)の流れに取り残されることなく、むしろ流れを味方につけてサバイブできるよう、伴走する存在でありたいと願います。

プラットフォームやAPIの利活用を行う

DXにかかわる様々なデジタル技術は、プラットフォームやAPIとして、地方企業でも安価に活用できる形で提供され、門戸は開かれています。そうした技術への感度を高め、おのおのの企業の価値を高める形でビジネスに活用していくことを、お客様とともにチャレンジしてまいります。
正解のない世界ともいえるので、お客様と一緒にトライ&エラーを通して課題を解決しながら伴走できる存在でありたいと願います。

DXにかかる各種問題に詳しくなる

今までは私たちWEBサイト制作・WEBシステム開発は、戦略が決まってからの施策の実施(下流)からの参画がほとんどでしたが、DXの時代においては「自社は何屋かの再定義」「顧客体験の再設計」と言った、戦略フェーズ(上流)からのコミットが求められます。
また、デジタル活用の取り組みは、デザイン思考やPoC(概念実証)を通して小さく試しながら、全社的な取り組みに広げていくという方法論が求められ、そこには経営者のデジタルへの理解や、縦割り組織の枠を取り払って横串で取り組むことの大切さもうたわれます。今期、私たちはそうしたDXのアプローチや各種トピックを体系的に身につけるとともに、先行企業のケーススタディを取集し、自分たちのDX人材化を進めることで、DX時代におけるお客様企業の価値創造に貢献していきます。

3.マーケティングのノウハウの強化と実践

WEBサイト、ネットショップ、SaaSと言った、私たちが携わらせていただいている領域は、マーケティングと切り離せないものです。今までもマーケティングを意識したサービス提供を行って参りましたが、今期は自らマーケティングを実践する機会を増やし、ベストプラクティスを積み、お客様へ提供できる知見を深めて参ります。

自らマーケティングを戦略的に実施し、自社HPでの取り組みにも反映する

自社の営業活動において、今までは社長の縁故やご紹介と言ったアナログのおつながりが中心でした。そのようなご縁は本当にかけがえのない大切なものであることに今後も変わりはありません。一方で、そこに甘んじて、マーケティングを本格的に行っていないことが課題でもありました。医者の不養生とは言いますが、WEB屋がお客様の受託制作を優先するあまり、自社のWEBサイトでのコンテンツを通した発信やブランディング等が後手になっているケースもよくあり、お恥ずかしながら弊社はまさにその典型でした。(意外に繁盛しているデジタル系の支援会社でも、このケースは見受けられます。)
しかし、自社で意図してマーケティング活動を行わずに縁故だよりでいる限り、どこかで成長の壁が発生します。

コンテンツを通して自社の価値観や文化を発信していくことで、相思相愛のお客様との出会いが生まれ、また、良い体験設計をしていくことが、自社のブランディングにも繋がっていくはずです。「ウェブの会社なんだから、ウェブサイトからバンバンお問い合わせが入ってきたらかっこいいよね!」というのはナンバーツーの川崎の言葉ですが今期はまずは自分たちも自社のマーケティングを通して、ベストプラクティスを積み上げることを、地道に行っていきたいと考えています。

マーケティング・ブランディングの知見を強化

マーケティング・ブランディングは、経営そのものと同義とも言われます。それらを体系的な知識として身につけるとともに、前述の自社での取り組みを通して知見を強化し、お客様のマーケティング・ブランディングの支援に活かす取り組みを行って参ります。

4.組織力を高める

当初、2名から始まった弊社ですが、メンバーは6名(パート含む)に。
創業期から成長期に移行するにあたり、内部的にも基盤を整えることが肝要と感じています。

基幹システムのアップグレード

会社が成長してくると、今まで大した量ではないと感じていた事務作業・庶務などの間接業務が、付加価値業務を圧迫するようになってきました。更にメンバー達がスキルアップしてくるにつれ、「みんなには付加価値業務をしてもらおう」といって、事務作業を私や川崎と言った管理職が引き上げるという事態にもなっています。
もとよりそうした庶務の仕組化の必要性をわかっていながら、一時の仕組みづくりにかかる時間を惜しんで後回しになっていたのですが、仕組みは規模がある程度大きくなってこそ威力を発揮する部分ともいえるので、本格的に増員する前段階として、今こそ取り組む時が来たと感じています。具体的にはCRM、SFAや、請求周りのSaaS導入、セキュリティ面の強化を考えています。まずは自社がデジタル活用を最大限に利用し、高付加価値業務に注力する体制を作ることで、お客様に提供できる価値も上げていきたいものです。

労務・法務周りの強化

この春より、顧問弁護士さんをお迎えしました。
これまで戸惑いながらの素人運用だった契約書類ですが、専門の方にしっかりとリーガルチェックをしてもらえる心強さを感じています。
また、労務周りの監修もお願いしています。特に就業規則については、従業員が10人以上になると労基に提出が義務付けられているもので、これから増員を想定するにあたっても大事な位置づけです。法令順守のもとで、弊社が掲げる「フレックスタイム×リモートワーク」の柔軟な働き方を継続的に実現し、メンバーに最大限の力を発揮してもらえるように、しっかり整えていきたいものです。ここについても、また別の機会があれば記事にしたいと思っています。

パートナー企業様との連携を強化

私たちの業界では(少なくとも弊社の周りでは)、同業の制作会社・フリーランスどうしが「競合」と言う対立関係ではなく、「協力会社」としてプロジェクトを一緒に行う協業関係があります。特に地方にはデジタルを担える人材がまだまだ不足していることから、互いに食い合う事を恐れるのではなく、互いの得意分野を生かし合い、地域の、日本のデジタル活用を盛り上げていくことが大切と考えています。それぞれの企業の価値観や目指すところが違えば、必ずしもではありませんが、互いの理念やお客様への向き合い方に共感し合い、シナジーを得られる関係を築ける協業先の皆様と、これからも力を合わせて、創れる物/提供できる価値を何倍にも増やし、その輪を大きくして参りたいと思います。

終わりに

盛りだくさんで欲張りな目標設定をしていまったので、達成にはちょっと背伸びが必要そうですが、そのくらいの難易度がちょうど良いでしょうから、できる限りチャレンジしてみたいと思います。
また、数値的な目標は敢えてここには書きませんでした。成長率・売上・利益・顧客数といった、数値的な指標については常に意識し、目安には位置づけているのですが、基本的にはお客様に付加価値を提供した結果としてもたらされるものだと考えているので、目標としての数値を追わないのがウエブル流です。特に、「不況下においては量ではなく質を高めよ」というのはドラッカー氏の受け売りですが、上記の取り組みを通して、お客様に提供できる価値を向上させることが今期、大切にしたいことです。

願えば引き寄せるとは言いますが、「SaaS案件をやりたいな」と思ったら早速2件のお引き合いがあり、「DXについて知見を深めたいな」と思ったらちょうど参加したいセミナーに出会うことが出来たりと、早速ありがたい動きが始まっています。
今期も皆様とのご縁を大切に深め、新しい出会いに胸をおどらせながら歩んで参りたいと思います。今期もどうぞ宜しくお願い致します。

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