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日報ブログ

【就業規則を公開】フレックスタイム×リモートワークで柔軟な働き方を

働き方
AUTHOR 増子 愛

2016年9月の設立当初より、フルリモートワーク(テレワーク)等を通して、既存の枠組みにとらわれない働き方を追求してきた私達ですが、この度、より私たちらしい働き方を実現しながら、それを法令適合する形に整えることを目指し、就業規則をリニューアルしました。

本記事では、その経緯や内容について記載するとともに、最後に、実際の就業規則をPDFで公開いたします。
参考例、テンプレートとしてもご参照いただけます。

物理的・時間的拘束を柔軟にし、メンバーが力を発揮しやすい働き方を

既存の正社員の働き方って、なんて不自由なんだろう

新卒ママ社員だった頃、私が如実に感じたのが「既存の正社員の働き方ってなんて生きづらいんだ」と言う疑問でした。
独身の新卒者であれば当初よりフルタイム・毎日出社の働き方に適応しやすく、キャリアの冒頭でここに躓いたり、疑問を感じたりする人は少ないかもしれません。しかし就職当初から子育てという一大ライフイベントにぶち当たっていた私には、この先、この働き方を何十年も続けていくことに大きな不安を抱えていました。
これでは、能力はあっても、チャレンジをしたくても、家庭責任が大きくなるほど、女性が辞めていってしまうのは否めない。

誰しもがフリーランスのように、自由と引き換えにリスクをとれるわけじゃない

それから時は過ぎ、WEBサイト制作のフリーランスとして、働く時間と場所を柔軟にすることで、仕事と子育てを両立できるようになってきた頃、また新しい疑問が生まれました。

「私だけが仕事と子育ての両立を克服しても、社会的に何も解決してないじゃないか。
WEBサイト制作の仕事であれば、場所や時間に縛られずに仕事がしやすいのは確かだけれど、誰しもがフリーランスでやれるわけじゃない。」

フリーランスを目指せばいいような風潮がもてはやされる近年。
「自分の名前で食べていくぞ、全部ポケットに入れるぞ!」
という強者の理論を発揮できる人も一定割合いる。
一方でフリーランスとならば、WEB制作実務のみならず、営業、お客様とのやりとり、価格交渉、請求管理、確定申告…すべて1人しなくてはいけない。その上、収入の保証はなく福利厚生も会社ほど手厚くはない。
もしフリーランスになりたい動機が「働く時間と場所の自由を手に入れたい」であれば、それとひきかえに、上記のようなリスクを余儀なくされるのは是だろうか。

フリーランスに近い自由度で正社員をしながら、会社だから得られる価値も大切に

それならば正社員であっても、フリーランスみたいに、物理的拘束・時間的拘束が最小限になる働き方があってもいいのではないかと、考えるようになりました。
それで仕事で成果を上げ、お客様に喜んでもらい、会社が成り立てば何の問題もない。
福利厚生のみならず、チームワーク・分業で自分の強みへの集中・ノウハウの蓄積や共有・インフラやノウハウへの投資・教育機会といった、会社だから得られる物も享受できる。
その上で、フリーランスでもやれるようなスキルを身につけられて、でも敢えてここにいたいと思える会社になれないだろうかと。

フルリモートワークの会社としてスタート

そうして、同じく小さい子ども2人を子育て中だった川崎とウエブルを設立。
その際、川崎が
「すでに、フルリモートワークでシステム開発の会社を成立させている、ソニックガーデンさんという会社があるよ。」
ということを教えてくれ、そんな先達の存在にも希望を見いだしながら、フルリモートワークのWEB制作会社としてスタートを切りました。

ただし、子育て主婦の互助会にはしない、甘えにしない、ということも併せて誓いました。
やりたいことは、ビジネスのプロとして力を発揮したいけれど、既存の働き方の中では十分に機会を得られない人でも、活躍できる舞台をつくること。
意図しているのは、家庭責任が大きな障壁にならないような働き方であり、これは配慮ではなく、フェアになるための合理化なのです。

独身も男性も対等にウエルカム、誰もが人間らしい営みを大事にできる働き方を

自由な働き方を享受できるのは、必ずしもママだけじゃなくてもよい。独身も対等にウエルカム。
子育てや介護との両立のみならず、通勤ラッシュから解放されたり、日中の時間帯に、歯医者さんにちょこっといって戻って来れたり、犬の散歩に抜けたり、大事な人やペットと過ごせる時間が増えたり・・・
中長期でみて今は独身の人も、結婚したり、子供を持ったり、子育てが落ち着いたり、介護が始まったり・・・
そんなライフイベントの変遷に合わせて柔軟に調整できる環境であることが大事です。
そうして長い目で見て、人間らしい営みを大切にしながら、職業人としての能力をできる働き方を、誰しもが実現できることを目指しました。

新しい就業規則の制定

このように実現したい働き方を模索しながらも、実際に行うには、労働基準法などの法令に適合する形に落とし込む必要があります。2020年から顧問弁護士の先生のご助言を受けながら、私達らしい就業規則を模索し、形にしました。

5つのポイント

フレックスタイム制で勤務時間自由

フレックスタイム制で5時~22時の間で8時間を目安に好きな時間に働いてOK。
コアタイムは10~14時に設定し、連絡がつく時間を担保しています。
フレックスタイム制を導入しているけど、実際は同調圧力のようなものがあり、おおよそ定時通り働いているというケースもあるようですが、ウエブルでは本当に生活スタイルに合わせて、朝型で5時から働いている社員、夜型のため遅く始業して午後22時まで働いている社員がいたりと、様々です。

休日の変更も自由

基本的に、暦通りに近い会社カレンダーを制定していますが、あらかじめ申告すればお休みの日をずらすのもOK。
或いは、金曜日、土曜日にそれぞれ4時間ずつ稼働することがあってもよくなっています。
ただし、7日に1日は必ず法定休日を取得する決まりです。

閑散期・繁忙期に合わせて時間調整し、残業時間の清算は3ヶ月ごとに

WEBサイト制作やシステム開発の仕事は特性上、閑散期と繁忙期が生じることがあり、必ずしも1日8時間 週5日でなくとも、業務が多い時期は多く働き、少ない時期は短く働く と言う調整をできるような働き方にしています。
日によって7時間だったり9時間だったりしてもOK。

法改正によって最長で清算期間を3ヶ月間とすることが可能となりましたので、清算期間ごとに定められた所定働時間を超過した分が、3か月の目に残業代として支払う制度にしています。
(厳密には細かなルールがあるので、詳しく知りたい方は  厚生労働省のフレックスタイム制導入の解説を参照[PDF]

固定残業代を付与し、残業がなければインセンティブに

残業が想定されそうなスタッフには、あらかじめ一定時間分の残業代を給料に織り込んでいます。
ただし、その時間分の残業をしなくても、固定残業代はもらってもよく、効率よく業務が終われば本人へのインセンティブになるということにしています。
ただし超過時間がこの固定残業代で足りない分は、3か月の清算期間ごとに、別途の残業代としてお支払いします。

勤務地自由・出社自由のリモートワーク(テレワーク)

勤務地も自由なので、富山でも東京でもその他の地域でもOK。オフィスに行っても来なくてもOKとしています。
富山オフィスはコロナ禍で利用頻度の下がったので、テナントからコワーキングスペースに移動。
東京オフィスにもコワーキングスペースを用いていますが、今はおおよそ全員が在宅勤務です。
必要に応じてオフィスの復活も考えていますが、この状況下でお客様ともオンライン会議が増え、今のところは問題なく過ごしています。
なお勤務地については、就業規則には直接言及されおらず、運用上のルールとして適用しています。

運用を軌道に乗せることが大事

このような就業規則を制定しながらも、実際は運用に載せることが大事。
就業規則には、細かなことが網羅的に記載されているわけではないので、スムーズに運用するための社内ルール作りが必要です。

補助的な運用ルールの制定

就業規則の補助的な役割として、「手順書」を作成しました。留意点、日報への時間の記録方法、稼働時間や休日変更の申告や、働き過ぎにならないように週次・月次での超過不足時間の調整のためのアクションなどを記載したものです。

まだ取り組みを始めたばかりですが、思うように上手くいかないぞ?と言うことも起こるかも知れず、メンバーからの意見を受けながら、より運用しやすい形を作っていきたいと考えています。

コミュニケーションの不足は定例ミーティングで

フルリモートワークなので、口頭でのコミュニケーションが不足しがち。
口頭ならちょこっと聞けることを、チャットだけだと伝えづらかったり、遠慮してしまったりするケースも。
そこで定刻にオンラインビデオ会議を実施し、顔を見て話す機会を設けています。

ちゃんと働いてるかを確認しなきゃダメ?あくまで成果で評価

稼働状況の把握は、ビデオに映して確認するといったことはしておらず、日報への自己申告です。
そして割り振られた仕事の成果が見えるようにしています。
成果物は、資料・デザイン・ソースコード・セッティングされたサーバーなど、上長が見れば明らか。
性善説的な方法ですが、今のところみんな、責任感をもって業務を遂行しています。

実際にメンバーはどう働いているの?

  • 朝型、夜型などの体質に合わせて始業、就業時間を調整
  • 15時に抜けて犬の散歩にいってリフレッシュ
  • 子どもの習い事の送迎で中抜け
  • 親知らずが痛くなったら、可及的速やかに抜きに行く

と言う具合に、融通の利く働き方をしています。
私たちの働き方については、松原の週報もご参照。

ウエブルだからできる!時間に融通の利く働き方|2021年4月第4週目のウエブル週報

さいごに

今のところ、順調に稼働し始めた新ルール。社員数がより多くなっても、上手く稼働するように、常に振り返りや改善を積み重ねながら運用していきたいと考えています。
そして「柔軟な働き方をしながら、能力を発揮したい、挑戦したい、スキルアップしたい、一緒に会社作りをしたい」と言うメンバーを、これからも仲間として迎えていきたいと考えています。

スペシャルサンクス

今回の就業規則のリニューアルに至るには、ありがたいご縁・ご助力がありました。

東京スタートアップ法律事務所
後藤亜由夢 弁護士・公認会計士

「こんな働き方を実現したい」という私達のワガママに寄り添って、就業規則の作成に多大なるご助力をくださった後藤先生。
ただ法令適合を確認するのみならず、1ベンチャー企業として、私達が「実現したい働き方」をくみ取り、私達も自分の頭で考えられるよう、親身なアドバイスや情報の提供をくださいました。
本当にありがとうございます。

株式会社ダイショウ
若林大輔 社長

経営者の大先輩として複数の店舗を経営されている若林社長。
「ウエブルの今の規模なら、就業規則を整えることがますます大事になるよ。」
ということを、自らのご経験談を踏まえてご指南くださいました。

その際、盛和塾にひょっこり現れた駆け出しの若僧を、
「あなたは創業者でしょ!?そのまま行ってください!」
と認め、太鼓判を押してくださったことにも勇気をいただきました。
素晴らしいきっかけを、ありがとうございます。


株式会社ウエブル CDO
エーピーコンサルティング株式会社 CTO

野澤 知照

まだCDOになってもらう半年ほど前、「就業規則をgitで公開してる面白い会社があるよ~」と教えてくれたことが、今回、就業規則を公開してみよう!と思うきっかけを作ってくれました。ありがとう!

就業規則はこちらからご覧いただけます

そんなウエブルの就業規則をエイヤと公開いたします。
私たちがフレックスタイム(および3か月での残業代清算)・リモートワークの就業規則を作ろうとした際、巷のテンプレートを探しても、断片的な情報しかみつからず、網羅的にまとまっている参考例が世の中に転がっていてもいいのではないかと考えたためです。
これからフレックスタイムやリモートワークを導入される企業の方の手がかりになりますように。

ウエブルの就業規則

※上記資料を参考に作成された就業規則等に対して、一切責任は負いませんのでご了承の上ご覧ください。

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